ココイチことカレーハウスCoCo壱番屋さんにて。隣の席のお客さんの話が聞こえてきて。
　「オイラが子どもの頃、あるチラシをひろった。そのチラシがココイチのチラシだった。うまそうだった。食ってみたかった。どれもこれも食ってみたいカレーだった。けどさ、その頃オイラの家の近所にはココイチは無かったのさ。だから俺は想像するしかなかった。そのチラシを見ながら。どんな味なのかな？　トッピングするならスクランブルエッグかな？　それとも完熟カットトマトかな？　食ってみたい。いつか、食ってみたい。そう思って、思い続けて、オイラは大人になったのさ。大人になったオイラは、行けるココイチには全部行った。あぁ、行ったさ。あっちこっちのココイチに。全て行ったさ。・・・え？　チェーン店だからどこも味がいっしょでしょだって？・・・甘いな。甘口だな。5甘だ。たしかに似ている。同じと言ってもいいかもしれない。しかし違う。違うんだ。味が微妙に違う。辛さも店によって微妙に違う。その違いを楽しむ。それが『ココイチ道』ってもんさ」